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米田:今回は、日本ゴルフコース設計者協会(http://www.jsgca.com)の理事で、コース設計家でもある、海津康志氏に登場していただき、『ゴルフコースとは…』などのお話を、お聞かせていただきます。
米田:お久しぶりです。まずは、海津さんのプロフィールを紹介したいのですが…。
設計家歴は何年で、何コース設計されましたか?
また、一番気に入っているコース名は言いづらいでしょうから、近年設計された代表コースを教えてください。
海津:その前に、このホームページはいいですよね…。見易いし、レッスンの内容も興味深い物ですよ。特に『コーチのためのレッスン』コーナーはGood!今後も期待していますよ。
さて、私の事ですが、設計を始めて約30年、設計補佐・許認可設計・施工コース10コース、設計・監修コース10コースぐらいの設計に関わりました。最近では、「三重県/多度カントリークラブ・名古屋(http://www.token-tado.co.jp/)」、「埼玉県/石坂ゴルフ倶楽部(http://www.ishizaka-gc.com/)」、「長野県/中軽井沢カントリークラブ(http://www.nakakaru-cc.com/)」、「茨城県/猿島カントリークラブ(http://www.sashima-cc.co.jp/)」に関わりました。
米田:「茨城県/猿島カントリークラブ」は私もよく利用させてもらっていますが、いいコ
ースですよね。
個々のコースの話の前に、全体像の話を聞きたいんですが…。
一般的に『英国のコースは牧場型、米国は公園型。そして日本は庭園型』などと言われますよね。
海津:コースの歴史、地域社会への公共性や経済効果、メンテナンスの考え方などをひとまとめにした、的を得ている表現ですよね。
米田:我々は、その『庭園型』コースで主にプレーをするわけですが…。今後の日本のコースは、どのようになっていくのですか?
海津:これはちょっと漠然とした質問ですね…。しかし、色々なスタイルのコースを、日本に居ながらにしてプレー出来るというのが理想じゃないですか。
それは、新しいタイプのコースが新設されるという事だけでは無く、既存のコースもリニューアルされる必要性が増えてくるように感じます。
米田:私も、歴史のあるコースに行くと、「このPAR
4は、今は3番アイアンでティーショットをしてもショート・アイアンで2打目が打てるけれど、昔の道具だったら大変だったろうなー」とか、「今だから、このグリーンはキャリーで落としても止まるけど、昔は花道から攻めざるえなかったんだろうなー」とか、「この傾斜から昔の道具でボールを上げるのは苦労したんだろうなー」なんて思うことがありますよ。
海津:米田さんの前では何ですが、ゴルフはコースがクラブやボールの機能を進化させ、そのクラブを使いこなすスウィングが改良される…という順番にゴルフ業界が変化していると思っています。
米田:その通りです。私もコースの変遷が一番始めにあると思っています。短時間的に考えると、今度プレーするコースを攻略したいので、秘密兵器のニュークラブを購入し、そのクラブの特性を活かすスウィング作りを我々がアドバイスする…。という流れの繰り返しですね。
海津:そのわりには、私のスウィングのアドバイスはしてくれませんね。(笑)
米田:もちろんですよ。海津さんがコースで苦しまなくなったら、もっと難しいコースに改造しちゃうでしょ。(笑)
私、レッスンの現場では設計家の方を“悪魔”扱いしているのですよ。 例えば斜面ですが、初級者は10%勾配の前下がりからだと90%ぐらいミス・ショットになり、上級者でも15%以上の勾配の左足下がりからだと85%がミス・ショットになる統計を、設計家の方は知っている。だから、池や谷の前に、初・中・上級者の飛距離に合わせて斜面を配置しておくと、みんな海津さんの罠にかかってしまう…。海津さんにとっては快感でしょうね。
海津:そんな言い方されると、我々の性格が悪いみたいじゃないですか。でも、その罠の設置の仕方が設計家の個性―色―になっているんですよ。米田さんが感じる設計家の個性には、どんな物がありますか?
米田:私が感じると言うよりも、多くは評論家の方の受け売りですが…、このページをご覧になっている方に参考にして欲しいのは…「ボギーは取り易いが、パーは難しい」ロバート・T.・ジョーンズ氏。「緑の中に、バンカーの白い砂、枕木の茶色、池の水色…」が綺麗な、ピート・ダイ氏。「花道を左右45°に振ってある」ジャック・ニクラウス氏なども特徴的ですよね。 日本人では、なんと言っても、「女性の身体のような曲線美」の井上誠一氏と、「男性的な荒々しさと挑戦欲を駆り立てる」上田治氏が代表的ですよね。 そういえば、海津さんは、井上先生の一門ですから、やはり設計のベースになっているのではないですか?
海津:はい 一門? 破門弟子かな
日本を代表するゴルフコース設計家、(故)井上誠一氏に師事し、「自然と人間とゴルフの調和
のとれた、美を追究した芸術性豊かなゴルフ場造り」を基本とした設計理念を学びました。
また、現在まで多くの名設計家、名ゴルフプレーヤー(安田幸吉氏・富沢誠造氏・ロバートトレントジョーンズJr氏・Jニクラス氏・岡本綾子氏(http://www.ayakookamoto.minato.tokyo.jp/)他)と出会い、多くのことを学びました。
今後とも、地球に優しく、自然と対話し、美を追究した芸術性豊かな、未来に残るゴルフコース造りを続けていきたいと願っています。
米田:話は急に変わるんですが、最近『鋲付きスパイク』の使用禁止コースが多いですね。
やはり、ソフト・スパイクやスパイクレスの方がコースには良いんですか?
海津:クラブハウスの床のダメージは激減しましたね。また、パッティング・グリーン表面のダメージも少なくなり、確かにメンテナンス・コストの削減には役立っていますよ。
米田:最近グリーンでスパイク跡を見ると、目立つようになりましたよね。ただし、昔のスパイクが家には沢山ころがっていて、処分した方が良いのかどうか、迷ってしまいますよ。
海津:確かに、クラブハウスのダメージは激減しましたが、コースはプレーヤーのエチケット次第で、そんなにダメージがあるものでは無いのです。逆に、スパイクレスなどがクラブハウスの油などをコースに持ち込み、1番や10番ホールの芝に新たな病気を発症させている…と言う研究者の意見もあるぐらいなのですよ。理論的に言えば、コースとクラブハウスで使用するシューズを変えるのがベストでしょうね。実際にそうしているコースもあるのですよ。
米田:『当コースはメタルスパイク禁止』と言われると“ムッ”としますが、事情を聞くと大変そうですし、納得も出来ますね。
コース・デザインについて、お聞きしたいのですが。
海津:コース・デザインには、4大要素があります。
(1)地形、(2)美しい景観、(3)ゲーム性、(4)管理…と言われていますが、本音を言うと、それに費用(予算)が大きく関わってきますね。簡単に言うと、お金をかけて、雑草対策や排水設備を整えると、その後の管理・維持費が少なくてすみますが…。その逆になるケースもあります。
米田:スパイクの話も、デザインについても、『維持・管理』がキー・ワードみたいですね。
海津:ゴルフ場だけで無く、自宅を新築する時も同じなのではないですか。
米田:コースのスタッフだけで無く、我々プレーヤーも、管理のお手伝いをしたいですよね。
海津:米田さんはショットのディポット跡を、キャディーさんじゃ無くて、ご自分で目土されていることが多いですよね。あの姿には頭が下がりますよ。米田さんのレッスンを受けている人にも、是非参考にしてもらいたいシーンですね。
米田:有難うございます。今後も益々、襟を正さなければなりませんね。
…後編につづく
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